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日本画初心者さん 描き方3 背景の塗り方(きれいにフラットに)!

今回は日本画材で背景をきれいにムラなく塗るコツをお送りします。

難易度高の黒と白のグラデーションですよ!

本当なら一色できれいに塗る方法やるべきかもですが、

やることたいして変わらないのでグラデやります。

 

背景を塗るときのポイントがありまして、

1、いきなり岩絵の具で塗らない

2、刷毛は画面の大きさに適したものを選ぶ

3、薄い絵具を重ねていく

4、刷毛の水分量に気を付ける

この4ポイントに注意しながら塗っていきますよ!

 

 

1、墨でグラデーションをつくる

 

ポイント1、背景をいきなり岩絵の具で塗らない

なぜなら岩絵の具は砂みたいなものなので、

フラットにムラなく塗れないのです。

そのため、先に似たような色を絵具の伸びのよい、

墨や水干で塗るのです。

今回は白黒のグラデーションですので、

最初は墨のみ使用します。

色のある岩絵の具を使用したい場合は、

水干で近い色を作成し、少し胡粉を入れて塗りの被覆力を高めます。

ちなみに墨にも胡粉を入れて具墨(ぐずみ)にしたほうが、

被覆力高まってきれいに塗れます。

 

そして、

ポイント2、刷毛は画面の大きさに適したものを選ぶ

画面に合った刷毛をチョイスするのです。

大きすぎても小さすぎても塗りにくく、

ムラになりやすいです。

今回の木製パネルはM3パネル(273×160㎜)に

幅3㎝の刷毛と幅6㎝の刷毛でやってますが、

正直やりにくいですね。

4㎝か5㎝でやりたいですね~。

でも、ないからしょうがないですね~。

 

ということで、下記画像の道具を用意して背景塗っていきます!

・墨

・岩黒、方解末の岩絵の具

・膠

・刷毛3本

 (黒色を塗る刷毛、白色を塗る刷毛、

 水でグラデーションを作る刷毛)

・和紙を貼ったパネル

・絵皿

 

 

 

まず、和紙に少し薄めた墨を塗っていきます。

 

ここで、

ポイント3、薄い絵具を重ねていく

です!

濃いのをいきなり塗ると失敗したときに回復がしづらくなります。

薄めを何回が塗り重ねるのが成功のコツです!

しかし、墨は薄すぎると全然黒色が付かないので、

気を付けてください。

 

そして、

ポイント4、刷毛の水分量に気を付ける

墨を含んだ刷毛ですが、

墨を含みすぎてべちょべちょだと

ぼかすときにぼかす用の刷毛の水分と相まってぼかしにくかったり、

水分が多すぎてシミができたりします。

逆に墨が少なすぎると刷毛跡が目立ってしまいます。

また、墨を塗ったところと塗ってないところの堺が

ぼかす用刷毛でなでる前に乾いてしまったりします。

 

塗ったあとに和紙に水分の溜まりができていない、

墨を塗ってあるところの堺が

刷毛でばさついていないのがよいです。

 

刷毛跡ばさついとるやないかい!ということで焦って水刷毛でなでる。

 

次に水を含んだ刷毛で墨を塗った所と

塗っていない所の境界線あたりをなでてぼかします。

墨の刷毛と同じように水刷毛の水分量にも注意です。

水刷毛も水が少ないと刷毛跡が付きやすく、

水が多いとぼかしにくい、

水が画面上に溜まりシミになりやすいです。

 

基本的に刷毛は横方向で左右に

(折り返しは画面の外に刷毛が出てから)動かします。

・・・いや、左右じゃなくて一方通行のときもあるかも。

時と場合で!

 

刷毛が画面を出ないうちに折り返すと無駄に刷毛跡が付きます。

 

水でグラデーションを作ってぼかす用の刷毛は、

適時汚れを落としてから使ってください。

 

また、細かく言うと、

ぼかす用の刷毛は一番上の黒い部分と

一番下の白い部分には触らずに

中央付近をなででグラデーションを作っていきます。

 

 

ぼかしたら、乾くまで待ちます。

乾かしたら墨が薄かったため、濃いめの墨で2回目をやります。

基本1回で決まらないので、再度墨を塗ってぼかしていきます。

墨塗る、水刷毛でぼかす、乾かすの繰り返し。

 

1回目の墨が薄かったので濃いめで二回目を塗りました。

 

そして水刷毛でなでてグラデを作る

 

2回目も乾かしたら薄かったので、

さらに濃いめの墨で3回目を塗ります。

 

う、薄い

 

3回目の墨塗って、水刷毛でグラデーションつくり

 

3回目が乾いた様子

 

3回目で納得できたため、

4回目からは岩絵の具でグラデーション作っていきます。

岩黒の白をちょっと水多めで絵具を溶きます。

フラットに塗りたいときは

粒子の細かい白~11番くらいの岩絵の具がよろしいかと思われます。

 

岩絵の具の溶き方は下記参照です!

kawaii-nihonga.hatenablog.com

 

 

今までのぼかしが無駄のように感じるくらい塗ってますが、大丈夫です。

 

岩黒ぼかし途中経過

 

岩黒ぼかし途中経過

 

岩黒ぼかし途中経過。下のほうのぼかしは白を汚したくない、さっさと作業したいので小さい刷毛で作業してますね・・・。

 

乾かしたらこんな感じ。まあまあきれいやないか!


黒色ばかり塗っても

白い部分の塗りが薄いと画面が安く見えますので、

白い部分も方解末の白で塗っていきます。

 

分かりにくいですが、方解末の白をグラデーション部分にも乗せています。

 

方解末を水刷毛でぼかしています。

 

方解末を使用して、

多分グラデーションが汚くなったため、2回目の岩黒です。

多分と言うのは、

作業とブログの間に結構な時間が経っており、

忘れているからです・・・。

もしかしたら、岩黒と方解末のグラデーション作業を

もっとしているかもです。

納得できるまで皆様もおやりください(笑)。

 

何回この作業しているのかしら~

 

 

下記画像で完成です!

いや~ちょっとムラってますね!

白と黒のグラデーション一番難しいから!

許して!頑張れない!(そして技術もあんまりない!)

 

 

ちなみに、暗い絵具を塗ったあとは

チャコペーパーで大下図を写すと線が水色とかピンクで見やすくていいですよ~。

 

そして、単色を塗る場合は、

一回塗るごとに画面の縦横を変えるほうががきれいに塗れますよ!

 

 

今回は背景の塗り方をお届けしました!

きれいに塗るのに四苦八苦しておりますが、

皆さんの制作のヒントになればうれしいです!

 

そして、上手くいかないときは下記4項目気にしてみてください。

 

1、いきなり岩絵の具で塗らない

2、刷毛は画面の大きさに適したものを選ぶ

3、薄い絵具を重ねていく

4、刷毛の水分量に気を付ける