日本画初心者さん 和紙にドーサを自分で引こう!
今回は、自分で和紙にドーサを引く回です。
和紙はそのままだと絵具が滲んでしまったり、
膠と水だけ吸って岩絵の具だけ表面に残り、
岩絵の具が取れてきます。
ドーサ引きはそれを防ぐために行います。
ちなみに早く乾いたほうがドーサが効くので、
晴れた日にドーサを引いたほうがよいですよー。
面倒くさい人は少しお高めですが、ドーサ引きされた和紙を購入するといいかもです!
必要なものは・・・
膠(三千本)
(ちなみにですね、ドーサを作らなくても、ドーサ液が売っております。
膠をふやかさなくても、いつでも使えるというのが利点であります)
ボールなど、ドーサを入れられるもの
ドーサ用の刷毛
毛布又は毛布っぽいもの(毛のある敷きパット)
和紙
です!
1、ドーサを引く前日に膠をふやかす
絵を描く前にも前日に!ドーサ引く前にも前日に!膠をふやかすのである。
膠と水の分量は、三千本膠1本に100㏄。
冷蔵庫に入れてふやかします。
2、ドーサを作る
ふやかした膠をボールなどの容器に入れます。
三千本膠1本につき、900㏄のお湯を入れます。
今回は、三千本5分の2本を20㏄の水でふやかし、
90度のお湯380㏄で溶かしております。
ドーサが60度くらいになればいい感じのようです。
そして、お湯を入れたボールにミョウバンを入れます。
ミョウバンは三千本膠1本につき、10g弱だそうです。
ドーサを舐めて、酸っぱいといいますか、
違和感があるとミョウバンが足りています。
わたしは少しずつ入れていって、舐めて確認します。
そんなに体にはよくないそうですが(笑)
(ちなみに酸っぱいとすでにミョウバン入れすぎとの意見もございます)
3、和紙を用意する
毛布を敷いて、和紙の表面を上にして広げます。
(どちらかというとつるっとしているほうが表です)
今回は高知麻紙を使用しています。
和紙は巻いてあるので、戻らないように重しをしておくといいです。
個人的におすすめなのは、和紙をすべて広げてドーサを引くやり方です。
紙を丸めたままで端からドーサを引きたい場合は、
紙が巻き戻らないように重しを乗せ、
それを移動させながらドーサを引いていってください(下図)。
そうしないと、巻いているクセで、
ドーサで濡れたところとまだ引いていない乾いたところのあいだが山になり、
しわができます。
ドーサを引く列のすぐ近くに重しを乗せ、
一列引いたら一列分移動というふうにちょっとずつ移動するといいと思います。
お前はすでにしわが入っとるやないか、とお思いのみなさん。
ずぼらで管理が悪いと和紙にしわが入りますが、
薄塗りの絵は和紙にちょっとでもしわが入ると目立って使い物になりませんので、
気を付けたほうがよいのです。
しかし、厚塗りする方はあんまり気にしなくてもいいと思われます。
でも、しわがないに越したことはないという。
4、刷毛でドーサを和紙に引く 1回目
ドーサは温かいほうが早く乾いて効くので、
作ったらすぐに使うか、湯煎で温めて使いましょう。
刷毛にドーサを含ませ、
紙の端からドーサを一定方向に引いて、紙にドーサをしみ込ませていきます。
刷毛は手に乗せるように軽く持ち、力を入れずにゆっくり動かします。
ドーサが紙の上で溜まらないようにしましょう。
ちなみに雲肌麻紙はドーサをよく含みますが、
高知麻紙はあまり含みません。
また、一枚の紙でもしみ込むところとしみ込まないところとあります(笑)。
しみ込みにくいなーと思ったら、
1回ドーサを引いたあとに、
もう一度上からドーサを引くとしみ込みやすいです。
しかし、和紙が荒れるため、
何回も紙の上をなでるのはよくないです。
まぁ、2回目のドーサ引きもありますから。
特に高知麻紙は2回目で完璧に滲み止めをすればよいのです。
ドーサが引けたら乾くまで待ちましょう。
できれば、和紙を少し持ち上げて浮かせ、
毛布と和紙の間に空気をいれると乾きやすくなります。
2回目のドーサは翌日以降になります。
5、2回目のドーサを引く
今度は、和紙を裏面にしてドーサを引きます。
このときに、1回目でドーサを引いた方向とは別の方向にドーサを引きます。
ちなみに、1回目で使ったドーサは足りなかったので、
三千本5分の1本で少しドーサを作りました。
この高知麻紙が約90㎝×90㎝でして、
三千本が5分の3本あれば、余裕を持ってドーサが引けます。
ご参考までに。
高知麻紙の場合は、
1回目のドーサ引きでしみ込まなかったところが多いと思いますので、
ゆっくりドーサを引いていきましょう。
このときに、端っこはドーサが引けていないことが多いので、
注意してドーサを引いてください。
上の画像では、敷きパットの模様が
結構透けているところとあまり透けていないところがあります。
透けていないところは、1回目でちゃんとドーサが染みたところですね!
そうして、2回目を引いたあとも、
できれば和紙を浮かせて、和紙と敷きパットの間に空気を入れます。
これが乾けば、和紙をパネルに張ることができます!
一応、ドーサ引き済みの和紙もありますので、
そちらを購入したほうが楽ちんでよいですが、
節約したい方はドーサを自分で引いてみてください。
それでは、ではでは~。